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木立性ベゴニアの魅力

ボリュームある花と個性豊かな葉が楽しめる!

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可憐でやさしげな花を肉厚の葉が引き立てる

ベゴニアと聞き、皆さまはどの花を思い浮かべるでしょうか? 花壇の植え込みとしておなじみのセンパーフローレンス、葉の模様の美しいレックスベゴニア、はたまた大輪の花を咲かせる球根ベゴニアなど、さまざまな種類があります。
ベゴニアの花言葉は「片思い」。せつない響きですが、これはどのベゴニアも葉の中央を走る葉脈の左右が等しくは重なり合わないからです。この左右不対称の葉がベゴニアの証で、花だけでなく、葉も観賞価値が十分にあります。まるで洋服の生地のように、光沢のあるもの、マットな質感、水玉模様、ベルベットのような触感など。花も葉もすべてが美しいベゴニアにはさまざまな品種が揃っているので、きっとお好みの品種が見つかることでしょう。
そんなベゴニアを根や茎の形態で大きく分類すると、(1)木立性ベゴニア、(2)球根性ベゴニア、(3)根茎性ベゴニアの3つに分けられます。今回はその中でも、花や葉の美しさとみずみずしさが一層際立つ、木立性ベゴニアの魅力をお伝えします。


「花を観察してみよう」

ベゴニアは、雄しべだけをもつ雄花、雌しべだけをもつ雌花が同じ株に存在する花です。最初に雄花が咲き、その後、茎が二股に分かれ、さらに雄花を咲かせます。これを品種によっては6〜7回繰り返し、最終的に先端に雌花を咲かせ、シャンデリアのような大房になります。

ベゴニアの雄花と雌花

先端に雌花を咲かせたシャンデリア状の花


4タイプに分類される木立性ベゴニア

木立性ベゴニアの分類

直立性の茎をもち、シャンデリア咲きの花が特徴の木立性ベゴニアは、その株姿から、(1)矢竹型、(2)叢生型、(3)つる性型、(4)多肉茎型の4つのタイプに分けられます(上図参照)。
そのほか、草丈や花期などは多岐にわたります。草丈は10p以下のものから、3m以上になるものまであります。
花期は周年咲く四季咲き品種と、春と秋に咲く一季、二季咲き品種があります。

四季咲き品種は大輪で多花性のものが多く、色彩はカラフルで華やかです。一方、一季、二季咲き品種は、叢生型の原種やつる性型に多く、花房はあまり大きくならないものがほとんど。しかし、野趣あふれる個性的な表情があり、捨てがたいものです。
初めて栽培される方には、花つきがよく、暑さ寒さにも強い四季咲き品種が育てやすくおすすめです。人間が心地よく思う温度は、ベゴニアにとってもまた快適な温度です。10℃以上を保ち、30℃以上にならないよう管理すれば、1年中開花を続け、暮らしの中で皆さまの目を楽しませてくれることでしょう。


4タイプに分類される木立性ベゴニア

白雪姫   ラナ   サチセン   スノーキャップ   リスティーダ   レッドウィング

※「スノーキャップ」「リスティーダ」「レッドウィング」は通販でお取扱いしていません。


木立性ベコニアを上手に咲かせるコツは?

● 育て方 ●

一鉢あるだけで、年中美しい花や葉を観賞できる木立性ベゴニア。
苗を購入したら、ここでご紹介するポイントを参考にして、さっそく育ててみましょう。

植え付け

排水性、通気性に富み、適度な保水性のある土が適しています。やや弱酸性の土を好みます。自分で用土を配合する場合の目安は、赤玉土4、ピートモス2、腐葉土2、鹿沼土1、パーライト1の割合で配合します。元肥として、固形肥料などを適量施します。


置き場所

生長に適した温度は、16〜25℃です。30℃以上の猛暑では弱りがちになり、10℃以下では生育が止まります。5℃以下では枯れてしまうこともあるので注意が必要です。
失敗しないためには、生息する原生地の気候環境に合った場所で育てるのがポイント。晩秋から冬にかけては、室内に取り込み、東南向きの窓辺のガラス越しで日光を当てます。原生地では樹林下の斜面などに生息し、光を求めて空に向かって伸びています。
春から秋は、戸外で管理し、明るい日陰か木漏れ日が当たる程度の場所が適しています。盛夏は強い日差しを避け、よしずや寒冷紗を用いて60〜80 %の遮光で管理します。北側の涼しい日陰に移動してもよいでしょう。ベランダやテラスでは乾燥に注意します。


水やり

鉢の底まで土が乾いたら、たっぷりと水を与えます。これは酸素を含んだ空気を送り込んでやることにもなります。 夏季は表土が乾いたら行いますが、やりすぎは根腐れの原因となるので注意します。


肥料

生育が活発になる春と秋に施します。花の連続開花時期には三要素が等分の化成肥料を置き肥します。 またはリン酸分の比率の高い液肥を、2週間に1回のペースで与えます。


病害虫

春と秋はアブラムシが発生しやすくなります。あらかじめ、粒剤の殺虫剤を表土にまいておくとよいでしょう。
また、梅雨や長雨が続く秋口は、うどんこ病、灰色かび病が発生しやすくなります。殺菌剤はもちろん、日ごろから枯葉や咲き終わった花がらをこまめに取り除き、清潔に保ちます。


摘芯・整枝

草丈を伸ばしたい時はそのままでよいのですが、形よくコンパクトに仕立てたい時は、摘芯(ピンチ)を行います。
新芽が2〜3節伸びたら、伸ばしたい部分の葉芽を確認し、そのすぐ上をハサミで切って摘芯します。好みのボリューム感をイメージしながらこの作業を繰り返し、形よく仕上げます。
茎が伸びて混み合って古くなった株は、10月ごろに整枝を行います。根元から1〜2つの葉芽を確認し、その上の部分をバッサリと切り戻して翌春に備えます。


植え替え

適期は4〜6月、または9月ごろです。
大株にしたい場合は、一回り大きな鉢を用意し、鉢底石を鉢の5分の1程度まで敷きつめ、植え替えを行います。


木立性ベゴニアの栽培カレンダー


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野口貴子

大正15年創業の老舗ナーセリーでベゴニア、クリスマスローズ、ストレプトカーパスなどの生産・育種に携わる。航空業界で勤務した経験をもち、グローバルな感覚、女性ならではの視点を生かし、花の魅力を伝えている。日本クリスマスローズ協会理事。