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真っすぐで肌のきれいなダイコンを目指す!ダイコンの上作テクニック

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真っすぐで肌のきれいなダイコンを目指す!ダイコンの上作テクニック

家庭菜園でも人気のダイコン。事前の対策や対応によって収量・品質に大きな差が出ます。ここでは上作のポイントや気象災害にも負けない方法をご紹介します。

川城英夫

川城かわしろ英夫ひでお

千葉県農林総合研究センター育種研究所長などを経て現在、JA全農主席技術主管。農学博士。主な著書に「いまさらきけない野菜づくりQ&A」、「野菜づくり畑の教科書」(家の光協会)、高等学校教科書「野菜」、「新野菜つくりの実際」(農文協)など多数。

5つのコツを押さえて良質なダイコンを目指す!

上作ポイント1
タネまきの適期を逃さない!

タネまきの適期は、関東以西の中間地や暖地では8月下旬~9月下旬です。タネまき時期が早いとハイマダラノメイガ(シンクイムシ)やキスジノミハムシなどの虫害を受けやすく、遅すぎると根が十分に肥大しないので注意します。涼しくなる9月下旬まきでは、害虫の被害も減ってくるので、無農薬栽培も容易になります。

上作ポイント2
畑の水はけをよくする!

タネまき前に、かたい土の塊や石などを取り除きます。土がかたくなっている場合は、スコップの刃を30cmほど深く差し込みほぐして水はけをよくします。さらにクワで耕してやわらかくすると生育がよくなり、真っすぐできれいなダイコンが収穫できます。

また、根が二またに分かれるまた根の原因になるので、タネまき時に未熟な有機物がないようにすることも大切です。

上作ポイント3
時期に合った品種を選ぶ!

適切な品種選びも大きなポイントです。高温期の8月まきには、暑さに強く生理障害が出にくい‘夏の翼’、9月になったら優れた品質の‘耐病総太り’や用途が広い短形の‘三太郎’などがよいでしょう。

高温に強く、生理障害が出にくい‘夏の翼’。

家庭菜園でも人気の高いロングセラー‘耐病総太り’。

おでんや煮物などにするとおいしい‘三太郎’。収穫適期が幅広いので長く楽しめる。

上作ポイント4
元肥を控えめにして追肥で補う!

図1のように、タネまき時期によってチッソ施肥量を変えると、形がよくきれいなダイコンの収穫が期待できます。元肥は控えめにし、追肥を全体の30~50%にします。茎葉をコンパクトにし、秋冬どり栽培では茎葉の耐寒性を強めます。

(図1)秋冬どりダイコンのタネまき時期とチッソ施用量の目安

  • ※黒ボク土を想定。砂質土ではこれより多くなる。
  • ※10月上旬まきは冬季温暖な海岸地帯で可能。

上作ポイント5
資材を上手に活用する!

キスジノミハムシなどは、タネまき後に防虫ネットをトンネル被覆すれば被害を防げます(写真A)。茎葉を徒長させないため、ネットは根の肥大が本格化するタネまき後30日を目安に除去します。早まきで発生しやすいモザイク病は、ウイルスを媒介するアブラムシの飛来を抑制するシルバーのポリマルチを使用することで被害を防止できます(写真B)。透明や黒色のポリマルチを使えば、3~5日ほどタネまきの晩限を遅らせることができます(写真C)

(写真A)防虫ネットを利用して虫害を予防。害虫の侵入を防ぐため、すき間ができないようにすることが重要。

(写真B)シルバーポリマルチでの栽培例。

(写真C)黒色ポリマルチでの栽培例。

気象災害に負けないダイコンづくり

台風前後の対策で差をつける!

台風の予報が出たら、株元に土寄せをして株を固定し、ネットや不織布などでベタがけをします。

台風が去ったら、被覆資材を外し、潮風が吹いたところでは真水で葉についた塩分を洗い流します。土の表面が乾いたら通路を中耕して土の中に空気を入れてください。

台風通過後には、黒斑細菌病などの病気を予防するための殺菌剤の散布や、傷んだ茎葉の回復を図るため三要素のほかに微量要素を含む液体肥料を葉面散布するとよいでしょう。

台風の予報が出たら、事前に防虫ネットや不織布などをベタがけし、被害を防ぐ。

ダイコン栽培の「キホン」

畑の準備

1カ月前に土づくりを済ませる

タネまきの1カ月前に1m²当たり完熟堆肥2kg、2週間前に苦土石灰50g、化成肥料(チッソ、リン酸、カリの割合が各8%のもの)を60~150g施用してよく耕します。堆肥は前作で施用していれば不要です。

また根の原因になる未熟有機物がないように注意しましょう。

タネまき

1カ所に4~5粒のタネをまく

高さ10~15cm、幅70~80cmのベッドを作ります。条間45cm、2条、株間27~30cm、深さ1.5~2cmで4~5粒タネをまき(写真1、2)、覆土します。土が乾いていたら水やりをします。

(写真1)

(写真2)

間引き

間引きで生育良好な株を残す

1~2葉期に生育のよい株を2~3本残してほかを間引き、株元に土を寄せます(写真3)。5~6葉期ころに病害虫の被害を受けていない健全で生育良好な株1本に間引きし(写真4)、畑全体で生育が揃うようにします。

(写真3)1~2葉期に2~3本残してほかを間引く。

(写真4)5~6葉期で1本立ちにする。

追肥

まき時によって追肥の回数を調整

1回目の追肥は最終間引き後、条間に施します。9月中旬まきでは、さらに20日後、根の肥大が本格化する15葉期ころに2回目の追肥を通路部分に施します。9月20日ころにタネをまく冬どりでは茎葉の耐寒性の低下を防ぐためにさらに20日後に3回目の追肥を行います。1回の追肥量は1m²当たり化成肥料(チッソ、リン酸、カリの割合が各8%のもの)を40~50gとします。タネまき時期が遅くなるほど低温でチッソ吸収力が低下し、生育期間が長くなるので追肥の回数を多くします。

収穫

根の直径が7~8cmになったら収穫

地上部の根径が7~8cmになったら収穫します。9月上旬まきで約60日、9月中旬まきで70~80日で収穫になります。