あこがれの芝生ガーデン
窓から見える庭の芝生はいつも青々してみずみずしい。そんな美しい芝生を1年中キープする方法をご紹介しましょう。あこがれの芝生ガーデンを手に入れるためにぜひ役立ててください。
暖地型芝草の芝生は、冬は休眠し地上部が茶色になります。そのため、毎年秋に暖地型芝草の上に寒地型芝草のタネをまく方法をウィンターオーバーシードといいます。ウィンターオーバーシードを行った芝生では、春から夏にかけて暖地型芝草は生育量を増しますが、寒地型芝草は枯れ、寒地型芝草から暖地型芝草に自然に切り替えが行われます。ウィンターオーバーシードを行う場合は、専用の寒地型芝草種子を用います。ペレニアルライグラスやインターメディエイトライグラスといった芝草があります。家庭の芝生では寒地型芝草から暖地型芝草への切り替えが容易なインターメディエイトライグラスがおすすめです。
インターメディエイトライグラス「サツキワセ」
ペレニアルライグラスとイタリアンライグラスの交配種で、真冬でも美しい濃緑色の芝生が楽しめる。春の暖地型芝草への移行が極めてスムーズにでき、ウィンターオーバーシードに最適な品種。
- 寒地型芝草のタネをまく時期は、9月中旬〜10月中旬です。まくタネの量は、1m²当たり40〜60gで、踏みつけの激しい場所では60g程度まきます。トンボやブラシなどで芝生をこすりタネを地際に落として発芽を促します。
- タネまき後、発芽までの約2週間は1日2回、根づくまでの約1カ月間は1日1回のペースとし、地際部が十分濡れるようにたっぷり水やりします。
- タネまき後2〜3週間で葉が5cmくらいに生え揃い、根づいたころに最初の刈り込みを刈り高3cmで行います。その後、1週間に1回の頻度で2〜3cm程度刈り込みを行います。
- 11月〜2月は、1カ月に1回芝生専用化成肥料(チッソ:リン酸:カリ=10:10:10)を1m²当たり20〜30g施用します。
- 4月上旬〜6月中旬まで、萌芽した暖地型芝草の葉にたっぷり日光を当てるため、1カ月に6回程度刈り込み、刈り高を1.5cm程度に下げて管理します。こうすることで、寒地型芝草から暖地型芝草への切り替えを促すことができます。

- 加藤 正広
- 千葉県農林総合研究センターにおいて、ゴルフ場や校庭など芝生地の環境にやさしい管理に関する試験研究に従事。