藤田智 直伝! プランター菜園 基本のキホン!その11 エンドウ&ソラマメ 恵泉女学園大学 園芸文化研究所准教授 藤田智(ふじたさとし)
■エンドウの栽培方法
【1.コンテナなどの準備】
コンテナは、土量20〜25Lの中型〜大型プランターを利用します。底が見えなくなる程度の軽石(鉢底石)を敷き、ウォータースペースを2cmとって培養土を入れ表面を平らにします。
【2.タネまき・間引き】
エンドウは冬越しする作物なので、タネまき時期が大切です。早まきして生育が進みすぎると、寒害を受けやすくなります。タネまき適期は10月中旬〜11月上旬、収穫は翌年4〜5月です(第1図)。ベランダでも鳥害を受けやすいので、不織布などで覆うとよいでしょう。発芽したら間引きを行います(第2図)。ポットで育苗する場合は9cmポットに3粒まきし、発芽後2本に間引いて、根鉢が回った本葉2〜3枚ごろ株間20cmで植え付けます。
【3.防寒と支柱立て】
12月下旬〜2月は、寒さが一番厳しくなります。霜よけに、寒冷紗(かんれいしゃ)や不織布で覆うとよいでしょう。2月に入ってつるが伸びてきたら、支柱を立ててネットなどに絡ませます(第3図)。
【4.追肥・病害虫防除】
2月から月2回の追肥を行い、肥料切れを防止します(第4図)。
春に、葉へ絵を描いたようなハモグリバエの幼虫の食害が見られたら、薬剤散布を行います。うどんこ病にはカリグリーンなどを散布します。
【5.収穫】
第5図を参考に適期を判断します。
■ソラマメの栽培方法
【1.タネまき・間引き】
ソラマメのタネまき適期はエンドウと同じで、収穫は翌年の5〜6月です。
コンテナは25L以上の大型プランターがおすすめで、エンドウと同様に準備し、タネをまきます(第6図)。発芽するころに鳥害を受けやすいので注意します。発芽後に間引きますが、2本立ちのままでもかまいません(第7図)。育苗する場合は9cmポットに2粒まきし、根鉢が回った本葉2〜3枚ごろに株間30cmで植え付けます。寒害防止に、草丈20cm程度で冬越しさせましょう。
【2.防寒と支柱立て】
寒い時期はエンドウ同様防寒に努めます。2月に入って茎が伸びてきたら、支柱を立てて株を支えます(第8図)。
【3.追肥・病害虫防除】
3〜5月は月に2回、土1L当たり1gの化成肥料を追肥します。
アブラムシの防除にはオレート液剤を散布します。
【4.整枝・摘芯】
春先の3〜4月に分枝したら、1株3〜4本に間引いて株元へ土入れします(第9図)。莢が実ってくれば、草丈70〜80cmで摘芯します(第10図)。
【5.収穫】
適期収穫を心掛けます(第11図)。