藤田智 直伝! プランター菜園 基本のキホン!その2 ナス 恵泉女学園大学 園芸文化研究所准教授 藤田智(ふじたさとし)
ナスの品種数は多く、形や用途もさまざまです。また、ナスには地方品種が数多くありますので、子どものころよく食べた懐かしい味を、自分で復活させることもできます。主なものを挙げてみましょう。
●中長ナス
中長ナスでは、日本の代表品種である‘千両二号’が、作りやすく味もよいのでおすすめです。また、果実のヘタや茎葉にトゲのない‘とげなし千両二号’も、作業がしやすく、おもしろい品種です。やや大型の‘小五郎’は、作りやすく収量も多いので、家庭菜園に向いています。
●長ナス
長ナスでは、極早生(ごくわせ)で収穫量の多い‘筑陽’‘黒陽’が代表的品種です。また、‘長者’は作りやすさと品質のよさでおすすめです。ロングセラーの‘長岡長’は、品質がよく信頼の厚い品種です。大長ナスでは‘庄屋大長’が、果肉がやわらかく、焼きナスにすると最高にうまいので人気があります。
●丸ナス
丸ナスでは,皮と肉質がやわらかい‘早生大丸’、漬物用で果肉がやわらかく甘みの多い‘紫水’が、作りやすくておすすめです。
●米ナス
‘くろわし’が、日本で最もスタンダードな品種として人気です。輪切りにして油で炒めたみそ田楽は最高です。
●地方品種
代表的な地方品種に、「賀茂ナス」「水ナス」などがあります。
●観賞用ナス
シロナス、タマゴナスなどがあります。
‘とげなし千両二号’
果実のヘタや茎葉などにトゲがなく、収穫作業や料理の際も扱いやすい。
‘筑陽’
食味がよく、肉質は緻密(ちみつ)できめ細やか。煮物のほか漬物用にも最適。
‘早生大丸’
皮がやわらかで肉質がよく美しい丸ナスで、煮ナス、バター焼きなどに向く。
‘くろわし’
早生で着果数が多く、揚げても煮てもおいしく食べられる。果重250〜350gにもなるジャンボ種。
「賀茂ナス」
黒紫色の大型丸ナス。焼きナス、田楽などに利用される伝統の京野菜。
‘甲子園’
球形の果実で、熟すと白から橙色に変化する。