藤田智 直伝! 家庭菜園 基本のキホン!その23 エンドウ&ソラマメ 恵泉女学園大学 園芸文化研究所准教授 藤田智(ふじたさとし)
■エンドウの栽培方法
【1.タネまき・苗の植え付け】
エンドウは冬越しする作物なので、タネまきの時期が大切です。株が大きくなりすぎると寒害を受けやすくなるので、早まきしないように注意します。タネまき適期は10月中旬〜11月上旬で、収穫期は翌年の4〜5月になります。
連作に気をつけ、5年くらいあけた場所を選びます。苦土石灰を1m2当たり150g散布してよく耕し、次いで1m2当たり堆肥たいひ2kgと化成肥料50gを施し、土に混ぜ込みます。株間は30cmとし、1カ所4〜5粒のタネをまきます(第1図)。発芽するころに鳥害を受けやすいので、ベタがけなどで覆ってやるとよいでしょう。
また、ポットまきして苗を育ててから植え付ける方法もあります。その場合は9cmポットにタネを4粒まきし、発芽後3本に間引いて、根鉢が回った本葉2〜3枚のころに株間30cmで植え付けます(第2図)。
【2.主な栽培管理】
(1)間引き
直まきの場合、発芽したら生育のよいものを3株残し、ほかは間引きます(第3図)。本葉が3〜4枚になったら軽く株元に土寄せし、敷き草をすると、乾燥防止と防寒対策にもなります。
(2)防寒と支柱立て
12月下旬から2月にかけては寒さが一番厳しくなる時期です。霜よけのため、畝うねの北側ないし西側に笹竹を立てて防寒します(第4図)。2月に入ってつるが伸びてきたら、支柱やネットに絡ませます(第5図)。
(3)追肥
2月に1m2当たり30gの化成肥料を株元へ追肥し、土寄せします(第6図)。
(4)病害虫
春になって、葉に絵を描いたようなナモグリバエの幼虫の食害が見られたら、エルサン乳剤1000倍液を散布します。また、うどんこ病にはトリフミン水和剤などを用います。
(5)収穫
サヤエンドウは、実が膨らみ始めるころが収穫適期です。スナップエンドウは莢が膨らんだ時、実エンドウは開花後35日くらいで、莢の表面に小じわが生じたころです(第7図)。
■ソラマメの栽培方法
【1.タネまき・苗の植え付け】
ソラマメのタネまき適期は、エンドウと同様に10月中旬〜11月上旬で、収穫期は翌年の5〜6月です。連作に気をつけ、5年くらいあけるようにして場所を選びます。苦土石灰を1m2当たり150g散布してよく耕し、次いで1m2当たり堆肥2kgと化成肥料50gを施し、土に混ぜ込みます。
タネは株間40cmとし、1カ所2粒まきにします。発芽するころに鳥害を受けやすいので、ベタがけなどで覆ってやると効果があります(第8図)。また、ポットまきして苗を育ててから植え付けする方法もあります。その場合は9cmポットにタネを2粒まきし、根鉢が回った本葉2〜3枚のころに株間40cmで植え付けます。
【2.主な栽培管理】
(1)間引き
発芽したら生育のよいものを1株残し、ほかは間引きます(第9図)。2本立ちにしてもかまいません。草丈が20cmになったら軽く株元に土寄せし、敷き草をすると、乾燥防止と防寒対策にもなります。
(2)防寒と支柱立て
12月下旬から2月にかけては寒さが一番厳しくなる時期です。霜よけのため、畝の北側ないし西側に笹竹を立てて防寒します(第10図)。2月に入ってつるが伸びてきたら、支柱を立てて株を支えます。
(3)追肥
3月に1m2当たり30gの化成肥料を株元へ追肥し、土寄せします(第11図)。
(4)病害虫
アブラムシにはオレート液剤を散布します。
(5)整枝・土入れ
春先の3〜4月に分枝が出てきたら、6〜7本に間引いて株元へ土入れします(第12図)。
(6)摘芯
莢が実ってくれば、草丈70〜80cmで摘芯します(第13図)。
(7)収穫
ソラマメは若い時は空を見上げ、熟してきたら下に下がってきます。そのころが収穫適期で、とり遅れるとマメになってしまいます(第14図)。