1.ハークネス社について
ハークネスのバラ園は、1897年にイギリスのヨークシャーで創立され、当時、良質のバラ苗の生産農家として広く知られました。その創立から65年後の1962年に、ジャック・ハークネスが本格的にバラの育種を始めました。
強健さを取り入れるため、野生種との交配を進め、初期はハイブリッド・ティー系、後にフロリバンダ系を中心とした数々の銘花を生み出しました。それらは美しい花が安定して咲き、コンパクトに樹形がまとまり、さらに病気に強く育てやすい品種群として知られています。ジャックは、1994年6月に他界するまで、30年以上にわたり200余りの世界中のローズコンテストでの入賞品種を作出し、今日130年以上にわたるハークネスローズ社の歴史の礎を築きました。ジャックの死後も、2人の息子であるロバート(2012年他界)とフィリップが父の遺志と育種素材を受け継ぎ、ジャックが残した歴史的銘花を上回るすばらしいバラを作出するよう、日々努力を続けています。
2.ハークネス社が行う育種
ハークネス社は、「最小限の管理で最高のパフォーマンスを発揮するガーデンローズの作出」を育種のポリシーとしています。この育種方針に基づき、高い品質を追い求め、花の美しさ、香りのよさ、多花性、コンパクトな草姿、そして何より病気の強さ(栽培のしやすさ)のポイントをクリアして選抜された品種が世に出されています。農場での栽培は、基本的に一般の生産農家と同じ条件で行われますが、病気に強い品種を選抜するため、農薬は使用せずに栽培されます。
チェルシー2009 フィリップ・ハークネスがエリザベス女王2世に品種を紹介している風景
1950年 トラクターで作業する風景
ジャック・ハークネスの育種風景(1962年に育種を始める)
3.日本におけるハークネスローズ
毎年、各地で権威ある国際バラコンテストが開催されますが、それらは日本以上に過酷な環境を含む世界中の試験圃場で栽培試験を行った結果、高い優秀性を認められた品種に入賞が認められるものです。ハークネスローズは日本より涼しく乾燥したイギリスで育種されていますが、‘アンバークイーン’や‘コンパッション’など国際バラコンテストで入賞した品種が多数あり、苛酷な環境への適応性が証明されています。またハークネス品種が持つコンパクトさにより、小スペースの限られた空間でも楽しむことができ、露地植えはもちろん、鉢植えにしても問題ありません。
このように、日本の栽培環境に適合した強健さ、コンパクトさを併せ持ち、その上に品種幅や花色のバリエーションに富んだシリーズとして、ハークネスローズは非常におすすめできます。本格的に日本市場に参入した1998年に、タキイ種苗を通じて「第1回国際バラとガーデニングショウ」を飾った‘プリンセスオブウェールズ’以降、数々の新品種を発表してきました。ハークネス社が行う栽培試験に加えてタキイ種苗が行う試作により、日本での適応性はより厳しく確認され、安心してご使用いただける環境が整っております。今後ますます増えていくハークネスローズコレクションをお楽しみください。
タキイ種苗は、日本における正規総代理店として、日本にあう選抜品種の国産苗を販売しています。
花径:8~10cm花期:繰り返し咲き樹高:約2.5m香り:中香
花径:約8cm花期:四季咲き樹高:約90cm香り:中香
花径:約8cm花期:四季咲き樹高:約90cm香り:微香
花径:6~7cm花期:四季咲き樹高:約80cm香り:中香
花径:6~8cm花期:四季咲き樹高:約80cm香り:中香
花径:10~13cm花期:四季咲き樹高:0.8~1.1m香り:微香
花径:約8cm花期:四季咲き樹高:約2.5m香り:中香
花径:約8cm花期:繰り返し咲き樹高:1.2~1.5m香り:強香
イージータイム
花色はスカーレットからオレンジ、アプリコット、ラズベリーへと変化、花つきよく、時に弁先に切り込みが入り華麗な房咲きに。黒星病に強く、栽培容易で初心者にも向く。別名「イージーダズイット」。
花径:8~10cm花期:四季咲き樹高:80~90cm香り:微香