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おいしい野菜を作ろう!菜園のためのよい土づくり

おいしい野菜を作ろう!菜園のためのよい土づくり 知って得するよい土づくり

野菜作りに土づくりがなぜ大事なのか?それは、野菜の生育を支える根の活動や生長に、土はとても重要だからです。根は土から養分、水分を吸収し、自身を大きく育てるだけでなく、葉や茎が倒れないように支える役目も持っています。そのためには、根自身もしっかり呼吸し、伸張してゆかねばなりません。
それでは、根が活動しやすくよい土とは、一体どういう条件なのでしょうか?

知って得するよい土づくり 図

このような条件を兼ね備えている土の構造は、「団粒構造」と呼ばれています。

団粒構造とは?
団粒構造内の根の張り方

理想的な団粒構造の土をつくるために重要なのは、堆肥や腐葉土などの有機物を多く混入することです。加えて、その土が栄養分をたっぷり含み、病害虫の恐れがなく、栽培に適正な酸度の範囲にあれば、野菜はしっかり育ち収量も多くなります。そのためには、畑の土の状態をしっかり分析しましょう。

畑土の分析
実践 土づくりプロセス1

畑やお庭など、野菜を作る場所が決まったら、次の順序で土づくりをスタートします。

耕 起

まず、畑の雑草をざっと除草した後、クワやスコップで耕してみましょう。耕す深さは、目標約30cmです。畑を耕すと、(1)土の物理性の改良(2)除草の効果があります。

実践 土づくりプロセス1 図
実践 土づくりプロセス2

酸度調整

野菜の生育に適正な土壌酸度は種類によって異なりますが、おおむね中性に近いpH6.0〜6.5です。しかし、温暖で雨の多い日本では、降雨により土のアルカリ分が流亡し、酸性に傾いているのが一般的です。そのため、あらかじめ石灰資材を散布し、土壌酸度を調整する必要があります。
土が酸性に傾くと、各種の微量要素が欠乏してきます。また、土壌中のアルミニウムが溶け出し、直接植物の根の働きが害されたり、リン酸の吸収量が極度に多くなったりして、植物の生育に悪影響を及ぼします。特に、酸性の強い土壌は植物の根を傷め、養分吸収を阻害するので、欠乏症状が見られます。

まずは酸度測定

土壌酸度の簡易測定法

土の酸度を測定する方法はいろいろあります。中でも家庭で簡単にできるやり方をご紹介しましょう。まずは「土壌酸湿度測定器(DM-5型)」です。これは、単に土の中へ測定器を差し込むだけで、酸度が測定できる優れものです。また、「みどりくんスターターキット」もpH試験紙を利用したタイプで、土壌酸度を簡単に測定できます。

土壌酸度の簡易測定法 図
次に酸度調整

酸性土壌の改良

種まきや植え付けの1カ月前に、石灰資材(苦土石灰、炭カル、消石灰など)を畑へ散布し、土とよく混ぜ合わせながら耕します(下図)。
酸性土壌を改良する際、石灰資材と土の混和が不十分だと効果がバラつき、それと同時に、かたまった石灰が植物の根に害を及ぼすことがあるので注意します。混和後は必ずpHを確かめ、目標の値になるまで石灰を散布しましょう。また、チッソ肥料と石灰を同時に散布すると、チッソと石灰が反応してチッソ分が損失してしまう恐れがあるので、禁物です。

酸性土壌の改良 図

有機資材の散布、砕土

耕起・石灰散布の1〜2週間後に、有機資材として完熟堆肥や腐葉土を1 m2当たり約2kg散布し、土とよく混ぜながら同時に土を砕きます。砕いてやわらかくしておくと、種まきや苗の植え付け作業が楽になり、根の張りや伸びがよくなります。また、ダイコンやニンジンなどの直根類を植える場合は、又根の出現を少なくします。

有機資材の散布、砕土 図
ここまでで、栽培前の土づくりは終了です。あとは、化成肥料などの元肥を入れて「畝」をつくったら、いよいよ栽培の開始。さあ、おいしい野菜をたっくさん収穫しましょう!