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庭先で育てるおいしい果樹 : ウメを育てよう

庭先で育てるおいしい果樹ウメを育てよう梅干しや梅酒、梅ジュースと用途の幅が広いのが、ウメの魅力。また、花が少なくなる寒い時期に開花するので、庭木としても重宝します。比較的育てやすく、手間のかからない果樹の一つです。
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ウメは一般的に受粉樹が必要 開花期や気候、用途にあう品種を選ぶ

ウメ栽培の歴史

ウメ栽培の歴史:ウメの写真日本における本格的なウメの栽培は、明治中期ごろから始まったと推測されています。大正中期には、小ウメが植栽され始め、昭和初期にはウメの植栽が格段に増加しました。その後、昭和30年代から栽培技術の向上とともに品質も優れるようになり、全国でウメ栽培が本格化していきました。
そんなウメ栽培は、1962年の酒税法の改正によって家庭で手軽に梅酒を作れるようになったことで、青ウメの需要が多くなり、一気に中ウメ以上の大きさの植栽が増えていきました。このころはウメの青果の販売価格もよく、「青いダイヤ」と呼ばれていたほどです。また、ウメはほかの果樹に比べて容易に栽培できることもあり、蚕業の衰退が急激に進んだ際にクワ園からウメ園への転換が行われ、それに水田転作も相まって栽培面積が増加していきました。
平成に入ると、ウメの青果の価格は台湾や中国からの安い加工品の輸入が増加したことから、徐々に安くなり始めました。そのため、現在ではウメ園を放棄する農家が増加し、栽培面積や出荷量が減少し始めています。

特性から見るウメの品種分類

ウメの栽培で最大の問題点は、結実の不安定さです。その要因は開花期の早晩、樹勢のアンバランスからくる生理落果の多少などです。花梅は初冬から早春まで、各品種の固有の期間で連続的に開花しますが、実梅は果実の利用価値の高い品種が選抜されているので、結実が不安定な品種もあり、開花期が早い品種から晩(おそ)い品種まで多くの品種があるのです。

①開花期による分類

ウメは全国の至る所で栽培されており、適地は広いように見えますが、本来は温暖多湿地帯の果樹なので、年平均気温12〜15℃ が適地の範囲です。ただし、わが国のウメの品種は純粋なウメのほかに、アンズ性のウメでも構成されています。
アンズ性のウメは耐寒性が強いので、低温地方でも栽培が可能です。ウメは開花が早いので、早春の気象の変化に対応した品種を選ぶことが非常に大切です。

まだ寒い時期から咲いて、春の訪れを予感させるウメの花。休眠が完了すると開花が始まりますが、ウメの自発休眠完了期は、早い品種では11月中旬以降で7℃ 、900時間内外です。「白加賀」では7℃ 、1200時間が必要です。アンズ性のウメ豊後(ぶんご)系品種は12月中旬以降です。参考までに近縁種のアンズは1月10日以降です。休眠完了後に花芽は急速に肥大し、花器が完成して開花へ至るのです。ウメの品種の開花日と開花期間から、早咲き長期開花型、晩咲き短期開花型、その中間型の3タイプに分けられます。早咲き品種は小梅の品種群で、晩咲き品種は西洋梅、「白加賀」などの品種です。
開花時期の早晩性と雑種性との関係を見ると、開花の早い品種群は純粋ウメタイプが多く、晩い品種群にはアンズとの雑種、すなわち豊後系品種が多く含まれています。したがって、低温地帯でウメを栽培する場合は晩霜の危険から生態的に回避するため、休眠が深く、開花に比較的高い温度が必要なアンズ性の強い品種が安全だといえます。

②形による分類

ウメとアンズは近縁種のため、開花期の重なる地域では、自然交雑種が多くできています。「豊後」はウメとアンズの交雑によって生まれたものです。ウメの花は元来白色ですが、アンズと交雑することで花色の分化が生まれ、紅梅ができたといわれています。ウメは、純粋ウメ(小梅系、和歌山・北陸・神奈川産の中ウメ種、青軸系、野梅など)、アンズの形質を少し含むウメ(大ウメ系品種群および花径の大きい花梅品種群など)、アンズの形質を多く含むウメ(豊後系ウメ、太平ウメ系品種など)に分類されます。ちなみに、アンズはウメの形質を多く含むアンズ(青森杏系)、日本アンズ(大実杏系)、中国および欧州アンズの3類に区分することで、一応ウメとアンズを分けています。

③加工法による分類

●梅干し用に向く品種

前述の通り、ウメはアンズと近縁の果樹で、品種・系統も非常に多く、普通ウメとアンズ系ウメに分けられます。また利用上では、果実のサイズによって約5gの小梅、約20gの中梅、約40gの大梅に大別されます。産地によって特有の品種が栽培されているため、いずれの品種も梅干し(梅漬けを含む)などに広く利用されています。
梅干しに向くウメの品種については、小梅では「竜峡小梅」「甲州最小」「信濃小梅」が適性に優れています。中梅では「南高」「林州」「白加賀」などが色調・肉質に優れるとともにタネ離れよく、歩留まりが高いなどの点で選ばれます。
ウメの酸含量でも品種間でかなり差異があり、「豊後」「藤五郎」や西洋梅などはやや少ない傾向になりますが、いずれも4・5%以上含まれており、利用上の大きな支障にはなりません。
また、梅干しの品質とウメの熟度との間には大きな関連があります。軟化梅干しにするか、カリカリ漬けにするかによって、熟度はまったく異なるからです。軟化梅干しの場合は、普通梅干しか調味梅干し(かつお梅など)に再加工するかによっても、熟度が異なっています。一般には、核の褐変が生じれば熟度としては十分で、梅干しに利用できます。カリカリ漬けの場合は、カルシウム製剤やアルコールによる果肉の硬化処理が必要ですが、完熟果実では硬化しないので、かなりの未熟果を用いる必要があります。
中梅では、軟化梅干しには開花後約115日、カリカリ漬けには約105日の果実が適しているといわれています。また、塩蔵品の脱塩により再加工する調味梅の場合は、熟度が進むほど果肉の崩れが大きくなるので、未熟果かつ果皮の強い品種が適しています。

●果実飲料用原料に向く品種

小梅の血を引く品種は果汁抽出率が高く、全重量の70%近くを占めますが、通常は品種の55%くらいまでは品種によって差異が認められます。ただし、果汁抽出量を1個当たりの量に換算すると大粒種ほど多くなり、中梅あるいは大梅が適しているといえます。しかし、大梅の西洋梅、「豊後」などは風味が劣り、やや不適であると考えられます。
ウメ果実の果汁抽出率は通常の品種では約55%ですが、これは熟度により左右されます。未熟果ほど果汁抽出率は高くなりますが、ウメの果実は樹上に着果している間は肥大し続けるので、個体果重の増大により1個の果実当たりの果汁収量は多くなります。
しかし、熟度が進みすぎると風味が劣る傾向があるので、品種や地域にもよりますが、開花後約110日の果実が適すると考えられています。

2本主枝の開心自然形にして低樹高に抑え、管理しやすくする

植え付け

ウメの開花は晩秋〜冬の気象条件に大きく左右されます。ウメの品種はほとんどが自家結実しないので、授粉樹を含め3品種以上植え付けます。植栽距離は4mの間隔をとりましょう。植栽時は肥料や堆肥(たいひ)は植え穴に施さず、生育を確認し、状況に応じ、ボカシ肥を4月下旬に施します。

整枝・剪定の方法

新植した2本主枝の開心自然形では、主枝を南北になるように配置し、日差しがまんべんなく樹冠内部まで行き届くようにします。亜主枝の本数は最終的に1主枝に対して1本としますが、若木では亜主枝的な枝数を多く配置し、樹齢が進むにつれて1本まで減らす方が樹勢が落ち着きやすく、実りが安定します。

夏季剪定

夏季剪定を実施している主な目的は、前述のように樹冠の内部まで日差しを届けるためです。受光態勢を改善することによって、樹勢を維持できるからです。
夏季剪定は、収穫後の一番暑い時期となる8月下旬から始めます。夏季剪定のよい点は、葉があるため込みあっている所が十分認識できる点です。具体的には、①主枝・亜主枝上の不要な太い枝の間引き②強大化した側枝の間引き③樹冠内部の徒長枝の間引きの3点です。
この時に注意が必要なのは、あまり強い剪定を行って主枝・亜主枝が日焼けを起こさないように、ということです。そのため剪定の目安は、全体の葉の20〜30%を限度としましょう。また、樹勢の弱っている木は夏季剪定を行いません。

冬季剪定

ウメの開花はほかの果樹と比較すると非常に早いので、冬季剪定は11月中旬から始めて、翌年1月中旬までには終了するようにします。冬季剪定は、樹勢回復が主な目的です。また、夏季剪定で行わなかった所まで手を入れるようにします。

具体的には、以下の通りです。

①主枝・亜主枝を決めて、先端の切り返しを樹勢に応じて行います。主枝に対して亜主枝は1本とします。

②年数を経て枝の色が黒くなり、亜主枝のようになった枝は切除します。枝の色が黒くなったものは、主枝・亜主枝だけ残します。

③こすれ枝や重なり枝、日焼けなどで枯れ始めている枝を剪定します。

④枯れ枝の切除をします。

⑤日焼け防止のために亜主枝から配置した内向枝は強大化するため、3年使用したら更新します。

⑥側枝は3〜4年使用したら更新します。

これらを夏季剪定とセットで樹形づくりを行うようにします。このように、不要な枝を切って受光態勢をよくして新梢の発生を促し、さらに低樹高で受光態勢をよくして側枝の更新を行うことで、高品質の果実を収穫することができます。

図:整枝・剪定の方法

施肥

化学肥料は基本的には使用しません。その代わりに、毎年11月に完熟堆肥を1本当たり10kg施します。

病害虫

黒星病、アブラムシ類、コスカシバ、カイガラムシ類に注意します。

収穫

6月中旬〜7月中旬が収穫適期。利用目的に応じた熟度に達している実を、順次切りとります。

加工法

梅干し(梅漬)の場合、食塩濃度は15%以上であれば腐敗することはありません。
しかし、多量に塩蔵する時は、雑菌の混入の機会が多くなり、漬け込みによる食塩濃度にむらが生じやすく、品質を損ねる原因となるので、20%以上にします。
塩蔵品は、漬け込んでから約1カ月後に天日で2〜3日乾燥させます。直接光の当たる果面は色調がよく仕上がります。もちろん裏面の色調もよくするために、適宜反転させましょう。大量に乾燥させる時は、ビニールハウスなどで行います。
ウメ果汁飲料の場合は、糖液で果汁分を抽出し、これを果汁分20%程度になるように希釈して殺菌します。

ウメのおすすめ品種
露茜(つゆあかね) 収穫期は7月中旬。1果約70gの極大実。スモモとウメの交配種で、実は赤く色づく。果汁が多めなので梅ジュースに向く。紀州大粒小梅 早生種で、収穫期は5月中旬〜6月上旬。小梅にしては大きい方で、1果約8g。果肉が厚い。多収性で育てやすい。選抜南高 収穫期は6月中旬。1果20〜25 gの大実。紀州の南高梅の選抜種で、肉質がやわらかく梅干し・梅酒に最適。
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大森 直樹

大森 直樹

1958年生まれ。岡山大学自然科学研究科修士課程修了。岡山県赤磐市にて果樹種苗会社を営むかたわら、家庭園芸としての果樹栽培の研究を行っている。