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クルクマとカラジューム特集

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透明感のある花色がとても涼やか クルクマ

クルクマ「メーテンサンライズ」夏の切り花として定番人気のクルクマですが、花が長もちし、暑さに強いことから、花の少ない夏場の花壇でもとても重宝します。エキゾチックな花姿でありながら、透明感のある花色はどこか涼しさを感じさせます。また、チューリップのように一度咲いたら終わりではなく、夏から秋にかけて長期間花が咲いてくれるのも大きな魅力です。
原産地であるタイの北部でも、近年切り花流通が始まり、たくさんの花が空港やホテルなどに飾られるようになってきました。花の消費量が増えるとともに、球根の産地では切り花に向いた品種の育種生産が盛んに行われるようになり、新しい品種が続々と誕生しています。切り花向きの品種は花が美しく花もちがよいことが重要で、さらに生産者にとっては花数が多く丈夫で育てやすいことも重要です。これまで流通していた鉢物用の品種は、主にプロの生産者向けに生産されていたため、少々育てにくい品種も多く、一般の家庭では花がなかなか咲かないこともありました。そこで、今回は丈夫で育てやすく、花壇やプランターなどで手軽に花を楽しめる品種をご紹介します。
気温(温度)条件にさえ気をつければ丈夫でたくさんの花が咲き、夏の庭を涼しげに彩ってくれるので、ぜひチャレンジしてみてください。

涼やかなピンクの「シャローム」を群生させると、こんなにナチュラルでさわやかな景色に。

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こんな品種がおすすめ!

クルクマの栽培ポイント

◎適した環境

株元は湿りぎみ、地上部は風通しよく乾きぎみの環境を好みます。西日が避けられる軒下や明るい木陰などで、直接強い雨が当たらず、地面が乾燥しない所が最も適しています。花数が増えるとボリュームが出るので、鉢植えやプランターはできるだけ大きめのものを使うとよいでしょう。夏に葉が展開してからは十分な水分がないと育ちが悪くなりますが、あまり神経質にならなくても大丈夫です。

◎植え付けのポイント

植え付けは十分に気温が上がってから(最低気温16℃以上)行います。土は保水力が強く、有機質に富んだものを好みます。植え付け前によく熟した堆肥や腐葉土、緩効性の肥料を用土に混ぜ込むようにします。バーミキュライトを混ぜ込むのも効果的です。最初の花までは球根の力である程度育ちますが、それ以降は土から養分を吸収しながら、2本目、3本目と開花していきます。
植え付けの際は、地植えの場合、球根の間隔を15cm以上あけるようにします。鉢植えの場合は7号鉢以上の鉢を使うようにします。今回販売する品種の場合は7号に2球が適しています。球根の深さは3〜5cm程度が適当です。

◎水やりと施肥

生育中は肥料と水を好みます。元肥に緩効性の肥料をしっかりと与えてよく耕します。速効性の肥料だと葉が大きく茂ってしまい草姿が乱れやすくなります。追肥をする際は薄めの液肥をこまめに与えます。気温の高い7〜9月は水を好むので、地面を乾かさないように気をつけます。2週間程度まとまった降雨がなければ、花壇植えでも水やりした方がよく育ちます。その際は上から散水せず、地面に直接水を染み込ませるようにたっぷりと与えます。地上部に芽が出る前と、気温が下がり始めてからは乾きぎみに管理します。

◎花後の管理

花はある程度咲かせたら摘みとってしまった方が次の花が咲きやすくなります。早めに切って次の花に期待してもよいでしょう。最低気温が16℃以上あれば生育します。10月ごろ、最低気温16℃を切るようになってくると生育が終わり、休眠し始めます。葉が黄色くなり始めたらそろそろ掘り上げ時期になります。掘り上げた球根は表面をよく乾かしてから湿気のない所で保存します。低温時の湿気は球根を傷めるので、新聞紙などでくるんで箱に入れ、室内の暖かい所で保存します。

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色彩鮮やかな葉をシェードガーデンに カラジューム

カラジューム「サイアム ホワイトクリスマス」カラジュームは鉢物として多く流通しています。白い葉の品種は夏場に涼しげな印象で人気がありますが、和名に「ニシキイモ(錦芋)」とあるように、白以外にもつややかな美しい葉色の品種がたくさんあります。特にタイで生産、育種されている品種はよく目にする鉢物の品種とは一線を画す魅力があり、「サイアムカラジューム」として非常に人気があります。サイアムとはタイの旧国名、シャムのことです。
タイには、その昔南米からゴムの木が運ばれてきた際に、カラジュームがその株元にくっついて伝わってきたそうです。さまざまな観葉植物に囲まれたタイの人々にとっても、そのカラフルな葉色は魅力的に映ったようで、独自の育種が行われ、珍しさを競うコンテストなども開かれています。小葉で変わった色、形のユニークな品種が多く、球根が小さく鉢栽培向きです。
また、タイ独自の品種ではない大葉の一般的な品種をタイで生産すると、光線や気温の違いからか、元の品種と違った特徴が現れることがあります。主に赤みが強くなるようで、タイ産の球根を日本で栽培するとさらにその傾向が強くなります。ちょっと変わった個性的な品種をぜひお楽しみください。色違いをいくつかの鉢植えにして玄関先に飾ったり、また、半日陰から日陰の環境を好むので、シェードガーデンの彩りに利用するのもおすすめです。

こんな品種がおすすめ!

カラジュームの栽培ポイント

◎適した環境

サイアムカラジュームはタイでは遮光して生産されているため、直射日光を避けられる半日陰から日陰の所で栽培します。基本的に鉢栽培とし、植え付けから葉が展開するまでは室内のできるだけ暖かい所で管理します。ただし、タイで露地栽培されているカラジュームは日なたでも栽培可能です。独特の赤みが差す光線に強い葉が展開します。花壇のカラーリーフとしてもとてもきれいです。

◎植え付けのポイント

温度が低いと球根が傷むので、十分に気温が上がってから植え付けます。室内では5月から、戸外なら6月からが安全です。サイアムカラジュームの場合は、4号鉢に1球植えが適しています。植え付けの深さは浅植えがよく、球根に覆土が2〜3cmかぶるくらいにします。深植えすると葉数が少なくなることがあるので気をつけてください。用土はクルクマと同様に保水力が強く、有機質に富んだものを好みます。植え付け前によく熟した堆肥や腐葉土、緩効性の肥料を用土に混ぜ込んでおくとよいでしょう。

◎水やりと施肥

生育時に水を大変好む球根です。芽が地上部に出てからは水を切らさないように注意してください。芽が地上部に出る前と、生育後期はやや湿った程度とします。真夏は株元だけでなく葉にもよくかかるように散水し、水分の蒸散を防ぎます。肥料は主に元肥で与えるようにし、薄めの液肥で追肥します。

◎冬の管理

最低気温16℃程度になると生育が終わり始めます。徐々に水やりを減らし、葉がなくなり始めたら掘り上げます。掘り上げ後は球根が乾き切らないように発泡スチロールなどに入れて、室内の暖かい所で保管します。低温乾燥を嫌う球根なので、冬越しに注意してください。

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牧野 浩さん

牧野 浩

千葉県長生郡の球根栽培の老舗「正和園芸」に勤務し、球根栽培を学んだ後、正和園芸を引き継ぐ形で「白子園芸」を立ち上げ、代表に就任。球根の中でも個性的な花が多い春植え球根のスペシャリスト。