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ジャパニーズアネモネ 秋明菊

ジャパニーズアネモネ 秋明菊
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コンパクトなだけじゃない!欧米で人気の三つの理由

「葵祭り」シュウメイギクは中国原産の宿根草で、日本では京都の貴船に野生化していたことから、別名をキブネギクといいますが、キク科ではなく、アネモネと同じキンポウゲ科の花です。ヨーロッパに渡り、品種改良されて、ジャパニーズアネモネと呼ばれるようになった花々は、初め草丈の高い草姿でした。
ところが、草丈の低いコンパクトなシュウメイギクが日本で開発され、海外で人気を呼んでいます。それが福島県の矢祭園芸が生み出したシュウメイギクです。
「あれ?鉢物として昔から出回っているのでは」という方もいらっしゃるかと思いますが、それは植物生長抑制剤を使って小さく仕上げたものです。それだと、庭植えして、薬が切れた翌年には、草丈が1m以上になってしまいます。矢祭のシュウメイギクは品種改良によって草丈を低くしているので、鉢植えの株を庭植えにしても、コンパクトなサイズは変わりません。
また、ピンクの濃淡、一重と八重の違いなど、花色や花形が豊富なことも特長です。
もう一つの魅力は、品種によって開花時期に差があること。開花の始まる時期が8月下旬〜10月上旬にかけてずれがあり、時期の違う2〜3品種を組みあわせれば、秋の長い間花を楽しむことができるのです。
コンパクトなサイズ、花形のバリエーション、各品種の開花期の違い。この三つが世界中のガーデナーに受け入れられている理由でしょう。

矢祭のシュウメイギクはこうして誕生した

育種家、金澤美浩は山野草が好きで、シュウメイギクを生産していました。その自分で作ったシュウメイギクを庭に植えて育ててみると、背が高くなり、台風の季節には倒れないようにひもでしばったり、植えて3年くらい経つと根が張って雑草化してしまったりと、繊細な草姿に似合わず、管理が大変な植物でした。
そこで、背が低く管理がしやすい品種を目指し、山野草のチャボシュウメイと在来系の「ダイアナ」を交雑して品種改良を始めました。ところが、チャボシュウメイは樹勢が弱く、交雑して得られた品種の中には、小さく育つものもありましたが、安定した特性がなかなか得られません。そんな中から特徴的な品種をピックアップしていき、世界で初めて完成した品種が「ねぶた祭り」だったのです。
その後、選抜を繰り返し、現在では「ねぶた祭り」のほか、花色・花形で選んだ「うねめ祭り」「花笠祭り」「祇園祭り」「葵祭り」の祭りシリーズが完成しました。そして、新たに「貴富音」が加わり、今年度から「紅ねぶた」「八重花笠祭り」が販売されることになりました。
現在も矢祭園芸では継続して育種を続け、新たな品種の育成に努めています。

おすすめのシュウメイギク

矢祭園芸オリジナルの品種です。草丈は高いものでも60cm程度。35〜40cm程度のかなりコンパクトなサイズもあります。開花時期もさまざま。鉢植えのほか、ガーデンの手前に地植えしても楽しむことができます。

  • 「紅ねぶた」
  • 「八重花笠祭り」
  • 「葵祭り」
  • 「貴富音」
  • 「うねめ祭り」

シュウメイギク栽培のコツ

京都の貴船に生えていたことから貴船菊とも呼ばれるシュウメイギク。野生化していた場所は、午前中に日光が当たる湿った所です。したがって、乾燥には弱く、冬場の極端な水切れによっては枯れてしまうことがあります。冬でも適度に水分を保つことが大切です。また、落ち葉などが積もる場所でもあることから、肥えた土壌を好みます。適度な肥料を切らさないようにすることも重要なポイントです。

苗が届いたら

初めに、茶色くなっている下葉をきれいに取り除きます。その後、二回り大きな鉢に植え込み、鉢で管理します。庭に地植えする場合も、まずは鉢で管理して環境に慣らします。植え込み後は、緩効性肥料を適量与えます。

置き場所

鉢植え
午前中に日光が当たる場所がよいでしょう。冬場は激しく乾燥しない所に置き、寒冷地の場合は、株が小さいうちは土が完全に凍らない所で管理してください。
地植え
午前中に日光が当たる場所を選びましょう。多少日当たりが悪くても、耐陰性はあるので問題はありません。その場所に根づいてしまえば長く楽しむことができます。
株分けの方法

水やり

初夏から秋にかけて地上部が動き出す時期は、非常に水を欲しがります。あまりにも乾きが激しい場合は、鉢の場合はお皿に水をためて管理をしても問題ありません。秋が終わり、冬から春にかけては土が乾燥しすぎないように適度に水管理を行ってください。また、寒冷地などでは、冬季は室内に取り込むなど土が凍らないように管理をします。

施肥

秋に3カ月以上効果のある緩効性肥料を5号鉢で4gほど与えます。その後、春に地上部が茂ってきたら、5月下旬〜6月上旬に、緩効性肥料を4g与えます。花芽が確認できる8月下旬〜9月上旬には2週間に1回、速効性の液肥を適量与えます。

病虫害

過湿によるカビが原因で枯れてしまうことがあるほか、長年地植えにしているとセンチュウによって葉にまだら模様が出ることがあるので、3〜4年ごとに株分けします。ごくまれにうどんこ病の発生もみられます。

まだまだある注目のシュウメイギク日本で育成されたプリティレディシリーズも海外で人気です。

  • プリティレディ ダイアナ
  • プリティレディ エミリー
  • プリティレディ スーザン
  • プリティレディ ジュリア
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金澤 大樹さん

金澤 大樹

福島県矢祭町の園芸農家に生まれる。父はシクラメン、シュウメイギクの育種・生産で知られる矢祭園芸代表の金澤美浩。大学で経営・マーケティングを学んだ後、国内外で花木、球根、ラン、植物貿易などを研修し、2009年に同社入社。鉢花の生産・販売に携わる。