トップ > 野菜のひろば > 生姜(ショウガ)の芽が出ない時はどうすればいい?|生姜栽培のよくある質問
トップ > 野菜のひろば > 生姜(ショウガ)の芽が出ない時はどうすればいい?|生姜栽培のよくある質問

生姜(ショウガ)の芽が出ない時はどうすればいい?|生姜栽培のよくある質問

生姜(ショウガ)の芽が出ない時はどうすればいい?|生姜栽培のよくある質問
ショウガのおすすめ品種はこちら

Q1

タネショウガが届きましたが、植え付けまでどのように保存すればよいですか?

A1

タネショウガは葉が5〜6枚になるまで、蓄えていた栄養だけで生長します。その期間は約2カ月と極めて長いため、まず優良なタネショウガを手に入れることが重要です。無病、つやがある鮮黄色、肉づきよくしまりのあるものを求めましょう。
1m2当たり約1kg準備し、1片を50g(大ショウガ150g)前後に分割して陰干しします。切り口が乾燥したらコンテナなどに入れて、低温障害を受けないよう植え付けまで保管します。ショウガの生育適温は25〜30℃で、15℃前後以下では生育が停止し、10℃以下で腐敗します。

 

Q2

タネショウガの植え付け方を教えてください。

A2

ショウガは10℃以下で腐敗するので、植え付けは4月中旬以降の寒害の心配がなくなる時期に行います。切り口を乾燥させておけば、水はけのよい無病地なら、切り口から腐敗することはありません。
植え付ける2週間前に元肥を施して耕し、幅60cm程度の畝をつくります。土壌は砂地でも粘質土でもよいですが、耕土の深い、水はけと保水性の高い土を好みます。根には20cm以上の作土が必要です。根茎腐敗病を予防するために、横溝を多くとり、排水溝を深く掘ります。覆土は6cm程度で、畝上より土が盛り上がる状態にします。
定植後はベタがけ資材で覆うことにより地温を確保して、出芽と初期生育を促すとよいでしょう。なお、早どりの目的で芽出しをしてから植え付ける場合は、芽が寒害にあわないよう注意が必要です。

 

Q3

ショウガの芽が出ません。どういう原因が考えられますか?

A3

芽が出ないことはほとんどありませんが、考えられるのは、タネショウガを小さく切りすぎて芽の出る組織がなくなった場合、または晩霜による寒害にあって腐敗した場合、あるいは水害にあって腐敗した場合などです。もしくは、タネショウガが健全でも、ネキリムシ類に芽を食べられて芽がなくなった場合もあります。

Q4

収穫の目安を教えてください。

A4

根ショウガの収穫は、10月上旬〜11月上旬の晴天の日に行います。降霜により低温障害を受けないように、それまでに収穫を終了します。
収穫は、健全で無病な根茎を掘りとり、直射日光と風にさらされないように行います。
根ショウガは葉を持って一気に引き抜きますが、一度に1株全部を掘り上げるのではなく、生長につれて芽を摘んだり、古根を地中に残してかきとったり、新しい根が肥大したところを抜きとったりして随時収穫すると、長い間ショウガの味を楽しむことができます。

 

Q5

収穫後のショウガの保存方法を教えてください。

A5

家庭菜園での収穫量なら、湿った新聞紙に包み、15℃くらいの冷暗所に置いておきます。18℃以上で発芽し、10℃以下では腐敗するので注意します。畑では、深い縦穴に貯蔵します。少量なら、湿らせたぺーパータオルに包み、口を少し開けたビニール袋に入れておく方法もあります。

 

池澤 嘉明

池澤 嘉明
1954年高知県生まれ。高知県吾川郡いの町にて生花店を営む傍ら、園芸家として花壇植栽工事やガーデニングセミナー、園芸教室などを開催。自社圃場で花壇用花苗、露地切花のほか、ショウガ、サトイモ、サツマイモなど土物園芸の生産研究も行っている。

カノウ先生に聞きました! ショウガの機能性について

ショウガで健康管理

私はショウガを1年中切らしたことがありません。時々、少なくなっているのではと不安になって、まだ冷蔵庫の野菜室に十分あるのに買い足してしまうくらい、なくてはならない存在です。
というのも、ショウガは料理の香りづけに使うだけではなく、新陳代謝を高めて血の巡りをよくしてくれる作用があるので、ショウガをすりおろして、梅醤番茶、はちみつ湯、紅茶などに入れ、風邪の予防ほか健康管理に使っているからです。
熱帯アジア原産とされるショウガが、中国から日本へ伝わったのは3世紀以前という古い時代のこと。今では薬効の高い植物として、日本人の暮らしにすっかり溶け込んでいます。

ジンゲロンとショウガオール

ショウガの地下茎には香りと辛味があります。香りは、ジンギベレン、カンフェン、ボルネオールなどを主成分とするもの、辛味はジンゲロンとショウガオールによるものです。ジンゲロンには血行を促し、体を温める作用があります。また、殺菌効果も高いので、刺身などの生ものに添えられます。ショウガオールは抗酸化作用が高く、抗がん作用があるともいわれています。

根菜・味噌と相性ばっちり

ショウガは香辛料として世界中でさまざまな料理に使われています。香辛料として利用する時は、ショウガを細かく刻み、油などで加熱して香りを引き立ててから使います。加熱すると強い辛味が和らいで、甘くさわやかな香りに変化するので、クッキーやケーキの香りづけにも向いています。
この香りは根菜やイモ類とも相性がよいので、私はレンコンやゴボウの煮物に加えたり、サツマイモのコロッケやポタージュに加えたりします。また味噌ともよくあうので、味噌風味の煮込みや炒め物にも使っています。

野菜の味を引き立てる

加熱せずにショウガを生ですりおろしたものは辛みが生きています。刺身、冷奴、そうめん、冷やしうどんなどに添えて、薬味として使われるほか、漬けだれに入れて魚や肉のくさみ消しとしても利用されます。
私のお気に入りは、しょうゆにショウガの絞り汁をたっぷり加えてつくる青菜のお浸し。ショウガの辛味は野菜のおいしさを引き立ててくれるので、ニンジンやダイコンなどをすりおろして作る野菜ドレッシングにも、蒸し物や焼き物のたれやソースにも、必ず加えています。

ずっと使い続けたい!

香りと辛味がさまざまな料理に欠かせないだけでなく、体にもうれしい作用があるショウガ。そんなすばらしい素材に感謝しながら、これからもずっと料理に活用し続けていきたいと思っています。

ショウガのおすすめ品種はこちら