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「オランジェ」ニンジンの育て方と秋・冬どり品種の選び方

「オランジェ」ニンジンの育て方と秋・冬どり品種の選び方

今回ご紹介する「オランジェ」は、フランス語で「オレンジ」を意味する言葉通りに、とても鮮やかな濃いオレンジ色をしたニンジンです。またカロテンが豊富で機能性に優れ、肉質はかたく、甘みがあるので、家庭菜園から加工業務用まで幅広い用途に使っていただけます。その栽培ポイントと、夏にタネをまき秋から冬どりのおすすめ品種も併せてご紹介します。
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「オランジェ」の品種特性

カロテン含量が従来品種より約50%アップ

「オランジェ」はカロテンを従来品種より約50%も多く含んだ機能性に優れる夏まき専用の冬どり品種です。カロテンは体内に入るとビタミンAに変換されます。ビタミンAは視覚作用、粘膜の保護や発育に必要なビタミンです。これらは体内では合成することができないので、食物から摂取する必要がありますが、「オランジェ」はカロテンが高含量なので効率的に摂取できます。カロテンは油に溶ける成分なので、油と一緒に調理すると吸収が促進され効果的です。
また、寒さに当たることで糖度が増し甘みがのってくるのでジュースにも最適です。

葉は耐寒性に優れ、根は割れにくい

葉は濃緑色で耐寒性に優れており、葉軸もしっかりしているので年明けの収穫作業も容易です。また、肉質はかためで緻密なため、圃場や収穫時の割れが少なくて歩留まりが高く収量性に優れます。

幅広い用途に適した品質

機能性や根色、食味などの品質に優れることから、家庭菜園で楽しんでいただくのはもちろんのこと、直売所ではジュースやスティック状にカットして試食をしていただくなど工夫してみると、通常の品種と差別化ができると思います。

カロテンたっぷりで貯蔵性に優れる!オランジェ

根色は表皮・芯ともに濃橙色で、カロテンが従来品種より約50%アップした機能性に優れる冬どりニンジン。完熟すると糖度が高くジュースにも最適。葉は濃緑で耐寒性に優れ、葉の軸もしっかりしており、年明けの機械収穫適性に優れる。根形はやや肩張りの円筒形状で、割れにくく在圃性があり、雪下などの貯蔵性にも優れる。


「オランジェ」栽培のポイント

畑の準備

 土質はあまり選びませんが、排水性と保水性のよい土壌を好みます。完熟堆肥などの有機物を投入して土づくりに努めます。

施肥

ニンジンはpH6.0〜6.6を好むので、苦土石灰を1u当たり100gを目安に施します。施肥量はチッソ成分で1u当たり12〜15 gが標準です。チッソ成分が多いと葉が茂りすぎ、根の肥大や色つきが悪くなります。元肥には3分の2を施して、残りは本葉6枚ごろに追肥として施し、中耕管理を行います。
タネまきの1週間前までを目安に苦土石灰と肥料を全面に施用して、20cm以上の深さでよく耕します。しっかりと深耕して、土を細かくすることが、素直に根が伸びて肌のきれいなニンジンを作るポイントになります。

タネまき

タネまき適期は中間地で8月上中旬です。あまり早い時期のタネまきは着色不良や短根などの原因になり、遅まきでは太りきれない場合があるので適期まきを心掛けます。
ニンジンは発芽に多くの水分が必要なので、タネまき後の乾燥に留意して土壌の適湿を保つように努めてください。初期の乾燥は岐根の原因になります。また、肥大期からの極端な乾燥や過湿は、裂根や肥大不足などの生育不良を招くため、適切な土壌水分を保つように心掛けましょう。

間引きと肥培管理

ニンジンの葉はビタミンが豊富で栄養がある。間引きしたものを油炒めやかき揚げにするとおいしく食べられる。

ニンジンは本葉7〜8枚ごろから急激に肥大し始めるので、本葉6枚ごろまでに間引きと追肥を行います。間引きは2回くらいに分けて生育が中庸なものを残すようにして全体の生育を揃えましょう。
「オランジェ」は初期生育がじっくりしており生育期間が長いため、生育後半まで葉を健全に保つことがポイントです。そのため、肥効が長く続くように追肥型の肥培管理に努めます。間引きの後、条間に追肥を施し、除草を兼ねて中耕します。同時に首部の着色を防止するために株元へ土寄せを行います。

収穫

ニンジンは本葉7〜8枚ごろから急激に肥大し始めるので、本葉6枚ごろまでに間引きと追肥を行います。間引きは2回くらいに分けて生育が中庸なものを残すようにして全体の生育を揃えましょう。
「オランジェ」は初期生育がじっくりしており生育期間が長いため、生育後半まで葉を健全に保つことがポイントです。そのため、肥効が長く続くように追肥型の肥培管理に努めます。間引きの後、条間に追肥を施し、除草を兼ねて中耕します。同時に首部の着色を防止するために株元へ土寄せを行います。

タキイのニンジン秋〜冬どり使い分け

作りやすさで選ぶなら「向陽二号」から「陽州五寸」

栽培性に優れ作りやすい品種リレーとして、年内どりには耐暑性、しみ症に優れる「向陽二号」、冬どりには耐寒性に優れる「陽州五寸」がおすすめです。どちらの品種も幅広い土壌適応性があり、作りやすさは抜群です。初めてニンジン栽培にチャレンジする方にもおすすめします。

形質最高!どこでも作れる春・夏作兼用の早太り五寸!向陽二号

晩抽性と耐暑性に優れた春・夏作兼用の五寸ニンジン。土質を選ばず幅広い作型に適し、大変作りやすい。根部は美しい鮮紅色で、肌は滑らかでツヤがあり尻部までよく太る。

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色ツヤがよく高品質!秋〜冬どりで能力を発揮!陽州五寸®

病気に強く耐寒性に優れる五寸ニンジン。肌は滑らかでツヤがよく、肌、芯ともに鮮紅色。

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機能性・食味で選ぶならファイトリッチシリーズ「オランジェ」「京くれない」

根色鮮やか!栄養たっぷり赤色ニンジン!京くれない

金時ニンジンと五寸ニンジンの中間型で、根色は鮮やかな赤色の夏まき専用品種。リコピンとカロテンを両方含んでおり、機能性が高い。適期栽培で根長20〜22cm。ニンジン臭が少なく甘みに富み、生食から加熱調理まで幅広く利用できる。

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機能性や食味を重視するなら「オランジェ」、「京くれない」がおすすめです。ニンジンはもともとカロテンを豊富に含んだ緑黄色野菜の代表格ですが、特に「オランジェ」は前述の通り、高カロテンの品種です。
「京くれない」は鮮やかな赤色が特徴で、リコピンとカロテンをバランスよく含んでいます。カロテンはビタミンAに変換され、リコピンは抗酸化作用に優れており、生活習慣病予防にも最適です。また、どちらの品種も栽培中に冬の寒さに当たることで色のりがよくなり、甘みも増してきます。特に「京くれない」は、その見た目から直売所で差別化を図るのにもおすすめです。

色よし・差別化をねらうなら「Dr.カロテン5」から「恋ごころ」

直売所出荷などで色よしの差別化をねらう品種リレーなら、年内どりは、肥大性に優れる「Dr.カロテン5」、冬どりには、芯まで赤い「恋ごころ」がおすすめです。どちらの品種も排水性のよい圃場が適します。
「Dr.カロテン5」は、太りがよいので特にジュースやスムージーに最適です。「恋ごころ」は、十分に肥大させて冬どりすると甘みが増すので、ジュースはもちろんのこと、スティックやサラダなどの生食にも最適です。

甘くて、うまい!栄養たっぷり!Dr.カロテン5

根部は内部まで鮮やかな濃紅色で、食味に優れる。草勢が強く大変作りやすいので減農薬・減肥栽培にも好適。トウ立ちが遅いので、春まき栽培も可能。

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色よし!味よし!ジュースやサラダにも最適!恋ごころ

サラダなど生食に最適の色よしニンジン。根形は円筒形で先までよく太る。草勢は旺盛で作りやすく、減肥栽培にも向く。トウ立ちが遅いので春まき栽培も可能。

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ニンジンらしい風味が好みなら「グランプリ」

揃いのよい黒田系大型ニンジン!グランプリ

適期栽培で根長20cm、根重300gほどになる大型ニンジン。根色が非常に鮮やかな濃紅色。加工にも適する。根形は長めの円筒形で先までよく太る。草勢がやや旺盛で作りやすい。

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昔ながらのニンジンらしい風味や味が好みなら「グランプリ」がおすすめです。「グランプリ」は黒田五寸ニンジンらしい風味と色をもった太りのよい品種です。株間や条間を広げて栽培すれば、1本500g程度までよく太り、大型で芯まで赤いので、業務加工にも適しています。

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