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ハーブのある暮らし 美しい庭づくりのために

ハーブのある暮らし 美しい庭づくりのために

庭で育てて、気軽に暮らしに取り入れたいハーブ。
とはいえ、ハーブだけでは夏に花がなくなり、さびしい庭になりがちです。ちょっと一工夫して、夏にも彩りを失わないハーブガーデンを目指しましょう。

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ステップ バイ ステップでお気に入りのハーブを少しずつ

待ち遠しかった春の訪れ。羽化したばかりのチョウのように初々しく若葉を広げた新緑、今にもほころびそうな蕾、やがて咲き乱れる色とりどりの花など、その折々の変化は見ているだけでも毎日の暮らしにたくさんの喜びを与えてくれます。
しかし、そうした植物が庭の中に限らず、さまざまな形で生活の中にとり入れられるとしたら、緑に包まれた暮らしは一層豊かに心を満たしてくれることでしょう。
ハーブは有史以前より人類に利用されてきた有用植物です。ヨーロッパのものがよく知られていますが、世界各国にそれぞれのハーブがあり、その土地の人々の暮らしの知恵とともに、薬や料理、芳香、防虫などいろいろな目的に活用されてきました。
一般にハーブは花や葉の香りを楽しめる反面、見た目の華やかさに欠けるものも多く、また生育環境があわないことから栽培のハードルが少し高いものもあります。そして、ハーブガーデンだからと厳密に「有用植物」にこだわりすぎると、庭園としての美しさが半減してしまうこともあります。
他の宿根草や潅木と、あるいは家庭菜園の中にと、おおらかに取り入れ、ガーデニングを楽しみながら、ハーブとして利用できる植物の種類を少しずつ増やしていくのも、一つの方法です。肩の力を抜いて、ステップバイステップで、自分らしいハーブガーデンづくりに挑戦してはいかがでしょう。

Point1背景も含めてデザインしよう

ハーブガーデンに限らず、庭をつくる際は主役となる植物の背景まで考えてデザインしましょう。きれいではないもの、あまり見せたくないものが花の後ろに見えていたら、葉で隠れるように常緑の植物を配置するだけで、ずいぶん庭の印象も違ってきます。
可能であれば、生垣をつくって常に緑の背景があるようにしておくと、主役の花がより引き立ち、花が傷んでも、庭としての体裁は維持できます。常緑樹や落葉樹を織り混ぜておくことによって、四季の移ろいを感じながら、長い期間楽しめる庭をつくることも可能です。
ハーブ類には草丈の低いものも多いので、背景をつくる植物をうまく組みあわせることが大切です。

Point2ハーブの生育特性を知ろう

一口にハーブといっても、そのふるさとはさまざま。原産地が違えば、育つ環境も違い、生育特性も同じではありません。生育特性を知ることで、いきいきと育つ環境を整えるヒントが得られ、失敗も少なくなります。

Point3夏にへこたれない植物を骨格に

熱帯並みの日本の夏は、私たち人間にとっても、外で育つ植物にとっても大変です。ハーブガーデンの中に、高温多湿な環境でも丈夫な植物をいくつか織り混ぜておくと、夏でも型崩れしにくいガーデンになります。

〈夏のハーブガーデンで失敗しないために〉
地中海性気候のハーブ栽培のポイント!

日本の暑い夏、ハーブガーデンでよくある失敗は、特に地中海性気候帯に自生するハーブで起こります。このハーブの中には雨が降らない夏に休眠するタイプがあるのです。休眠期に入ると葉色が悪くなったり、草姿が乱れたりしますが、それを、元気がないからといって肥料を施したりすると逆効果!ますます弱ってしまいます。
そんな失敗を避けるために、夏に休眠するタイプの地中海性のハーブには地中海性マークを付けました。ハーブ選びと栽培の参考にしてください。

香りのハーブガーデン

ポプリやドライフラワーになるハーブ選びと植え方

庭に出るだけでも、いい気分になれる香りのガーデン。花や葉を摘みとって乾燥させ、ポプリやドライフラワーを作るのもすてきです。ハーブティーやハーバルバスも楽しめます。

ウッドデッキの足元を隠しながら、水はけのよい石段の上を香りよく植栽。
屋内からアクセスのよい空間に植えて、気軽にハーブを暮らしにとり入れましょう。

群植して楽しもうカラミンサの仲間

●シソ科●原産地:ヨーロッパ●開花期:夏●高さ:30〜45cm●広がり:30〜45cm

カラミンサ・ネペタ

旧学名のカラミンサの名で知られている。代表種であるネペタは、夏に涼しげな白い小花を多数咲かせ、数株まとめて群植するとより映える。葉にさわやかな香りがある。午後の強い西日が避けられる場所が理想。

コンパクトで花色が豊富セイヨウノコギリソウ(ヤロー)の仲間

●キク科●原産地:ヨーロッパ〜アジア西部●開花期:初夏●高さ:45〜60cm●広がり:45〜60cm

地中海性

学名のアキレアの名でも呼ばれる。乾燥に強く丈夫でさまざまな花色の品種がある。コンパクトな草姿なので、狭い場所でも扱いやすい。葉が銀白色の系統は、できるだけ日当たりで水はけのよい場所に植え付ける。ドライフラワー、ハーブティーほか、葉をサラダにも。

花を引き立てる銀白の葉ワームウッド

●キク科●原産地:地中海沿岸地方〜アジア●高さ:60〜90cm●広がり:45〜60cm

地中海性

葉に独特の香りがあり、少し触れただけでも香りが漂う。銀白色の葉が美しく、さまざまな花と組みあわせやすい。花は観賞価値がない。夏の高温多湿が苦手なので、できるだけ水はけのよい環境で育てる。

地中海性植えるなら耐暑性の品種をラベンダーの仲間

●シソ科

その優雅な花と香りからハーブの女王と称されるラベンダー。ポプリ、ドライフラワー、ハーバルバスなどに利用され人気が高いが、ほかのハーブ類に比べて高温多湿に弱く、栽培には少し工夫が必要になる。共通の管理として、花後に強剪定を行うと葉が少なくなることで樹勢が弱り、根からの給水も緩慢になるため、過湿になって根腐れを起こしやすくなる。本格的な切り戻しは、暖地では生長が始まる9月下旬以降が無難。

イングリッシュ系

●原産地:フランス南部、イタリア南部●開花期:6月上旬●高さ:40〜60cm●広がり:40〜60cm

香りは一番よいとされるが、高温多湿な環境が苦手。できるだけ水はけのよい用土で、真夏の強い西日を避けられる環境がベスト。

ラバンディン系

●園芸品種●開花期:6月下旬〜7月●高さ:50〜60cm●広がり:50〜70cm

イングリッシュ系より香りと花の派手さには劣るが、より耐暑性がある。‘グロッソ’や‘ボゴング’などが比較的耐暑性のある品種として知られている。

ストエカス系

●原産地:地中海沿岸地方●開花期:5月下旬●高さ:50〜70cm●広がり:50〜70cm

苞が大きく伸びて愛らしい花を咲かせる。上記2系統より早咲きで耐湿性、耐暑性があり栽培しやすい。通常ラベンダーはアルカリ性土壌を好むが、この系統は酸性土壌でもよく育つ。

キッチン・ハーブガーデン

料理のアクセントになるハーブ選びと植え方

小さな家庭菜園の中に植えておくと、仕上げに、隠し味に、料理の質をぐっと高めてくれるハーブを紹介します。料理用のものだけでは夏場の彩りが不足するので、暑さに強くて花期の長い、その他のハーブも上手に取り入れましょう。

暮らしの中でハーブを楽しむための小さな家庭菜園の入り口。
ジューンベリーやレモンなどの果樹もスペースがあれば、植えたいものです。

明るい葉色が美しいセージ(ヤクヨウサルビア)

●シソ科●原産地:地中海沿岸地方●開花期:春〜初夏●高さ:約60cm●広がり:約60cm

地中海性

コモンセージとも呼ばれる。ガーデン用途には、黄色の斑が美しいゴールデンセージ、青紫色の花とのコントラストが美しいパープルセージなどがおすすめ。日当たりを好むが、暖地では西日を避けてできるだけ水はけのよい環境で育てる。株が古くなると姿が乱れてくるので、定期的に更新する。ソーセージの名の由来ともなったハーブ。肉料理の臭みを消し、風味を引き立てる。

紅葉も楽しめるオレガノ

●シソ科●原産地:地中海沿岸地方〜アジア●開花期:初夏〜夏●高さ:約50cm●広がり:60〜90cm

紅葉したオレガノの葉。

生育旺盛で横によく広がるので、思い切って刈り込んでも大丈夫。寒さで葉が美しく色づき、紅葉が特に優れた品種や黄金葉の園芸品種なども選抜されている。コンテナにも適する。バジル同様イタリア料理のメインハーブ。トマトソース、バーニャカウダに。

細かく切れ込んだ葉が繊細フェンネル

●セリ科●原産地:地中海沿岸地方●開花期:夏●高さ:90〜150cm●広がり:約45cm

フローレンスフェンネル

細かく切れ込んだ葉は、繊細な質感を生み出してガーデンの中でさまざまな植物を引き立たせる。独特の香りは好みが分かれるが、ワンポイントの香りづけに使える。ブロンズフェンネルは、濃紫色の葉と黄色の花との紫葉のコントラストが美しい。

育てやすい常緑小潅木ローズマリー

●シソ科●原産地:地中海沿岸地方●花期:主に春と秋●高さ:60〜120cm●広がり:30〜120cm(品種で差がある)

地中海性

暑さ、乾燥に強く、地植えの場合一度根付けば潅水をする必要はまったくないので、省力ガーデニングにもってこい。園芸品種が数多く導入され、花色や草姿もさまざま。立ち性、半ほふく、ほふく性タイプがあり、立ち性タイプのものは横に広がらないので狭い場所に適するが、強風によって枝が折れやすい。場所があれば、半ほふく性タイプがおすすめ。チキンやポテトとの相性がよい。濃く煮出して、入浴剤としても利用できる。

テラコッタ栽培がおすすめミントの仲間

●シソ科●原産地:主にヨーロッパ●高さ:30〜50cm●広がり:約30cm以上

地中海性 アップルミント

湿り気のある日なたから半日陰が適地。地植えにするとほふく茎で広がりすぎるので、テラコッタ鉢などで栽培するとよい。ペパーミント、スペアミント、アップルミントなど香りも多様。さまざまな料理の香りづけや彩りとして利用できる。

水はけのよい用土で栽培コモンタイム

●シソ科●原産地:地中海沿岸地方●開花期:春〜初夏●高さ:約30cm●広がり:約60cm

地中海性

高温多湿が苦手なので、できるだけ水はけのよい用土で栽培する。長雨を避けるためコンテナ植えにしてもよい。レモンタイムなどほふく性の品種は、レンガや石のすき間に植え込むと踏圧で放たれる香りが楽しめる。トマトや肉、魚介類によくあう。

ネギボウズが愛らしいチャイブ

●ヒガンバナ(旧ユリ)科●原産地:ヨーロッパ東部〜シベリア●開花期:初夏●高さ:30〜45cm●広がり:30〜45cm

エゾネギの和名がある。6月ごろ咲く桃色のネギボウズが愛らしい。場所もとらず、手元にあると何かと重宝するハーブ。強い夏の西日は避けるほうがよい。バターに練り込んでハーブバターに、卵料理などの薬味に利用できるほか、ピンクの花はエディブルフラワーとしてサラダにして食すことができる。

背景にもなる常緑中高木ゲッケイジュ

●クスノキ科●原産地:地中海沿岸地方●高さ:約10m●広がり:約6m

ゲッケイジュのスタンダード仕立て。常緑中高木。生長が早く、枝もよく伸びて大きくなるので、狭い庭には適さないが、どこからでも萌芽するので、生垣にするほか、思い切り刈り込んでトピアリーやスタンダード仕立てにしてコンパクトにすることも可能。通気が悪いとカイガラムシがよく発生するので要注意。カレーやスープなど料理で活躍する場面が多い。

ガーデンにプラス! 美しい葉や花をもつハーブに近い植物で彩る ハーブから派生した園芸品種など、ハーブガーデンの仲間に入れて楽しみたい観賞用の植物をご紹介します。

フェルト状の葉と黄色い花エルサレムセージ

●シソ科●原産地:地中海沿岸地方●開花期:初夏●高さ:50〜100cm●広がり:約60cm

地中海性

初夏にユニークな形をした黄色の花を咲かせる。銀緑色の葉には綿毛が生えてフェルト状になり葉姿だけでも美しい。水はけのよい場所や傾斜地などで生育がよい。

長期にわたって咲くヘメロカリス(デイリリー)の仲間

●ススキノキ科●原産地:東アジア原産種より交配育成●開花期:6〜7月●高さ:30〜50cm●広がり:45〜60cm(品種により異なる)

日本や中国ではカンゾウとして古くから薬用や食用にされてきたが、欧米に渡り品種改良が繰り返され、一級の園芸植物としての人気を確立した。日本の自生種から改良したものなので、気候によくあい、放任でもよく育つ。ただ、極端な乾燥は嫌うので強い夏の西日は避けたほうがよい。

ラベンダーにも負けないブルー系の美しい花キャットミントの仲間

●シソ科●原産地:ヨーロッパ〜アジア西部●開花期:初夏●高さ:30〜50cm●広がり:45〜60cm

ネコが好む本来のキャットミントと違い、交配種でシルバーリーフに青い花を咲かせる系統は、ガーデンで使いやすく人気が高い。従来種は開花の際に間延びして草姿が乱れるものが多かったが、‘シックス・ヒルズ・ジャイアント’は、草姿もあまり乱れず、おすすめの品種。

小さな花が夏中咲くロシアンセージ

●シソ科●原産地:アフガニスタン、パキスタン、カシミール地方●開花期:夏●高さ:80〜120cm●広がり:60〜90cm

セージの名があるが、セージ(サルビア)とは属が異なる。暑さ、乾燥に強く、白色を帯びた茎葉に、淡紫色の小さな花を夏中多数咲かせる。他の植物とも組みあわせやすい。

黄色い花で庭を明るくダイヤーズカモミール

●キク科●原産地:地中海沿岸地方〜アジア西部●高さ:約60cm●広がり:約60cm

地中海性

かつて染料として利用された二年草あるいは短命な多年草で、アンテミスまたはアンセミスとも呼ばれる。初夏に花径5cmほどの黄色い花を多数咲かせる。水はけのよい場所が適地。

存在感のある銀白の葉カールドン

●キク科●原産地:地中海沿岸地方●開花期:初夏●高さ:90〜180cm●広がり:60〜90cm

地中海性

茎が食用にもなるが、国内ではほぼ観賞用に栽培されている。銀白色の葉が美しく、カラーリーフプラントとして存在感が出る。乾燥にも強く、一度根付けば潅水の必要はない。よくアーティチョークとして流通しているのを見かける。
※タキイで販売しているアーティチョークは、食用となるアーティチョークで、カールドンとは別種です。

ガーデンにプラス! ネイティブ・アメリカンが使っていたハーブでハーブガーデンを鮮やかに 北アメリカ原産でネイティブ・アメリカンが昔から使っていたハーブ。花が美しく、すでに観賞用に栽培されていて、なじみ深いものも多くあります。ここに紹介している植物は、日本とほぼ同じ気候帯に自生します。春から夏にかけて生育・開花し、暑さに強いものが多いのが特長です。

存在感のある花色エキナセアの仲間

●キク科●原産地:北アメリカ中央部〜東部●開花期:夏●高さ:50〜120cm●広がり:40〜50cm

ヒマワリに似た花を夏中咲かせ、ハーブガーデンのみならず宿根草ガーデンでは欠かせない植物。日本の気候によくあい、栽培は容易。

暑さに負けず力強く咲くモナルダの仲間

●シソ科●原産地:北アメリカ東部●開花期:6〜7月●高さ:60〜120cm●広がり:60〜90cm

香りが柑橘類のベルガモットに似て、チョウやミツバチが訪れる。乾燥に強く丈夫だが、通気が悪いとうどんこ病を発生する。株が大きくなるので、場所に限りがあれば休眠期に株分けを。

夏でも元気に育つユーパトリウム・プルプレウム

●キク科●原産地:北アメリカ東部●開花期:7〜8月●高さ:約2m●広がり:約90cm

耐暑性があり夏でも疲れを知らず元気よく育つ。草丈が高すぎる場合は、生育初期に刈り込むとよい。

あふれる清涼感マウンテンミントの仲間

●シソ科●原産地:北アメリカ東部●開花期:7月●高さ:60〜90cm●広がり:60〜90cm

細葉や広葉の系統がある。葉にミントに似た強い香りがあり、お茶として利用できる。小さな白い花が密につき、清涼感がある。日本の気候によくあい、広がる。

ハーブ栽培の基本

ラベンダーやローズマリーなど、ヨーロッパで古くから栽培されてきたハーブの多くが地中海沿岸地方原産です。この地域の気候は、地中海性気候と呼ばれ、日本とは違ったユニークな気候パターンをもっています。
夏は気温が上がり冬は気温が下がるのは日本と同じですが、(それでも、日本の平均気温と比べれば、冬も比較的温暖)、降雨パターンが日本と正反対で、夏は少雨で乾燥し、気温が下がり始める秋以降、次第に降雨量が増えてきます。
一方、北米でネイティブ・アメリカンが利用していたハーブの多くは、日本と同じ温暖湿潤気候という気候帯に自生します。夏は多雨多湿で冬は少雨乾燥する気候です。
日本の野山に自生している草花を見ていると、春に芽吹き冬に休眠するのは普通ですが、地中海性気候帯に自生する植物は、冬に休眠せず、雨が降らない夏に休眠するものがあります。
これを念頭に栽培方法を考えてみましょう。

※1 通常、日本の太平洋沿いであれば、6月ごろから秋のお彼岸ぐらいまで。
※2 植物によっては温度が低すぎる(約5℃以下)と生育が止まることがある。

潅水

水は生育期に必要ですが、休眠期はあまり必要としません。ただでさえ夏の降水量が多い日本で地中海気候タイプの植物を栽培する際は、できるだけ水はけのよい用土で潅水間隔をあけることが重要になってきます。
また、レンガや石を積み上げて植栽地(レイズドベッド)をつくるほか、少し斜面になった場所に植栽するのも効果的です。

傾斜地に植えたコモンタイムとアップルミント。

施肥

水同様、肥料も生育期に必要です。地中海性タイプは、休眠期に入ると葉色が悪くなったり草姿がだらしなくなってきたりします。この時によくやる間違いが、肥料切れと思ってすぐに肥料を施すことです。
植物が休んでいる、もしくは周りの環境があわなくなって調子が悪くなっているのに肥料を与えてしまっては、よくなるどころか致命的になることもあります。あくまで休んでいると理解し、見苦しくてもそっと見守りましょう。夏を越し、気温の低下とともにまた元気(=新しい葉)が出てくれば肥料を与えます。
ただ、地中海性タイプのハーブは、一年草ほど肥料を必要としませんし、肥料過多になると香りの成分が薄まるということもあるので、施肥に関してはあまり神経質にならない方がよいでしょう。肥料切れで枯れることはまずありませんから、焦らず植物の状況をよく見てみましょう。

注意

ハーブは今回紹介する植物のほかにもたくさんの種類があります。薬効性ハーブの中にはひどい副作用や危険をともなうもの、妊娠されているなど体調によっては禁忌とされるものもありますので、飲食には十分にご注意ください。

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月江つきえ 成人しげと
ホルティカルチャリスト。(株)プランタス代表。地域の景観と調和した、植物が主役の庭づくりを提案。数年前に山間の小さな町に移住。古民家再生と理想の庭をつくるべく日々奮闘中。兵庫県在住。